研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第13号

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平安文学の感覚・感情形容詞に関する研究 : 『枕草子』を中心に

劉, 琳

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/54071
KEYWORDS : 平安文学;感覚・感情形容詞;枕草子

Abstract

本稿は修士論文の一部を抜粋したものである。本稿では,平安時代の言葉 の一面を反映する『枕草子』を主な資料とし,平安時代の感覚・感情形容詞 の使用状況,意味用法,意味変化及び語の消滅などの実態を記述する。 日本語形容詞の分類について,語尾の活用から「イ形容詞」,「ナ形容詞」 (形容動詞)のような形態上の分類と性質,意味上からの分類がある。性質, 意味上からの分類にはいろいろな説があるが,感情・属性の二分類が広く行 われてきた。すなわち,客観的な性質,状態を表すものは「属性形容詞」,人 間の主観的な感覚,感情を表すものは「感情形容詞」と呼ばれる。平安時代 の文学作品に使われる感覚・感情形容詞に関して,従来多くの研究がなされ てきたが,管見では,感覚形容詞の意味用法及び感覚・感情形容詞全体の数 量的な把握については,まだ十分に検討されていない。したがって,本稿で は,先行研究を踏まえ,『枕草子』を研究資料として,平安文学作品における 感覚・感情形容詞全体の使用状況,語義や用法,意味変遷などについて考察 してゆく。

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