研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第13号

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広告表現の語用論的機能に関する一考察 : 平叙文を中心に

呂, 晶

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/54074
KEYWORDS : 広告表現;語用論的機能;平叙文

Abstract

広告は,私たちにとって馴染み深い存在である。そして,私たちは広告を 見た時に,思わずキャッチコピーに目を奪われることが多いようである。し かし,広告は私たちにとって馴染み深い存在であるとはいえ,広告の研究で はまだ解明されていない問題が山積している。私たちは日々の生活において 意識的であろうと無意識的であろうと,広告のメッセージに対応し,それを 処理していることは言うまでもない。広告には,ある種の企まれた意味やイ デオロギーが織り込まれているが,その隠れた意味がどのように言語表現を 通して人々に伝えられるかは興味深い問題である。 なお,広告表現には,その形式に注目してみると,中には平叙文や疑問文 のような述語が伴う形式もあり,「うるおいの流れを,肌に」のような述語が 表に現れない文も見られる。筆者の予備調査によると,広告表現の形式は多 種多様であるが,平叙文の広告表現の用例が最も多くて,使用率が高いので ある。 本稿では,平叙文という文形式を用いた広告表現を中心に,発話機能の観 点から,この種の広告表現について考察する。本稿で言う広告表現はキャッ チコピーのことを指しているが,キャッチコピーの目的は,受信者の注意を 引き,商品に関心を持たせ,購買欲をそそることだろうと思われる。しかし, その主旨をあからさまに表明する広告はめったにないだろう。本稿では,発 話機能の観点から見て平叙文の広告表現にはどのようなものがあるか,また それらはどのように広告の目的を達成するかなどの問題について議論を行い たい。

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