子ども発達臨床研究 = The Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development;第5号

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思春期における思考の発達と自己および人間関係への影響 : 批判的思考態度についての縦断調査をもとに

加藤, 弘通;太田, 正義;松下, 真実子;三井, 由里

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/54977
JaLCDOI : 10.14943/rcccd.5.21
KEYWORDS : 思春期;批判的思考;自尊心;中学生;縦断研究

Abstract

本研究の目的は、思春期における思考の発達過程を明らかにすることと、こうした思考の発達が、自尊心の低下や大人への反抗といったこの時期の諸問題とどのように関係するのかを明らかにすることである。そのために中学生468名を対象に、批判的思考態度、自尊心、親との関係、教師との関係を含む質問紙を用いて、2年間で5回の縦断調査を行った。その結果、思考の発達を示す批判的思考態度は、2年生の後半あたりから上昇する傾向にあることが分かった。また批判的思考態度の発達の状況により生徒タイプを分類し、その後の自尊心などの発達的推移を検討した結果、中学入学時の段階で思考の発達がより進んでいる者ほど、より早く自尊心の低下や大人との関係の良さの低下が生じることが示された。

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