研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第14号

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疑問文の文末表現の使用に関する一考察

馬, 穎瑞

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/57698

Abstract

疑問文は,私たちの日常生活においてよく用いられる表現である。個々の疑問文は,様々な文末表現を有しており,それぞれの意味・機能は文末表現によって決められると言える。私たちは普段不明なことについて,他の人に答えを求めようとする場合によく疑問文を使う。その場合,話し手は聞き手に回答を要求しているため,疑問文は要求性を持ち,その要求は言語的要求になると考えられる。また,「一緒に食事しませんか?」という疑問文では,聞き手に返答の要求が存在しているほかに,「一緒に食事をする」という行為の要求も含まれている。このように,疑問文は,要求性を有しており,要求の種類は何を求めるのかによって異なることがわかる。従来の疑問文の文末表現に関する研究では,疑問文が用いられる文脈の要素を考慮して考察する研究は少ない。そして,文末表現の種類の整理には不十分なところがある。本稿は現代日本語における話し言葉として使われる疑問文を対象として,疑問文の範囲と判定基準を決めた上で,テレビドラマとテレビ番組の文字化した資料から用例を抽出し,文脈の要素を考慮しながら,要求性の有無という観点から疑問文の分類を行い,各種類の疑問文の文末にどのような表現があるかを考察した。そして,疑問文の使用がどのような要素と関わっているかについても議論した。

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