科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;17号

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日本のサイエンス/メディカル分野のイラストレーターによる団体活動の動向調査

有賀, 雅奈

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/59578
JaLCDOI : 10.14943/70475
KEYWORDS : scientific illustration;medical illustration;scientific and medical illustrator;science visualization;サイエンティフィック・イラストレーション;メディカル・イラストレーション;イラストレーター;サイエンス・ビジュアリゼーション

Abstract

日本では,サイエンティフィック・イラストレーション(以下,SI)やメディカル・イラストレーション(以下,MI)を描くイラストレーターが注目されることは少なく,彼らの活動はよくわかっていない.本稿では,SIやMIを描くイラストレーターの団体活動に注目し,団体活動の動向を明らかにすることを目的とした.方法はインタビュー調査である.SIやMIを活動テーマに含み,プロのイラストレーターが関わっている11の団体を選定し,代表や事務局などにインタビュー調査を実施した.その結果,日本にはSIをテーマとする小規模の団体のほか,植物などの重複する,あるいは下位のテーマで活動する団体,SIやMIよりも広いテーマで活動する団体がみられた.2010年以降,SIとMIのイラストレーター向けの教育を行う団体も現れていた.団体の活動内容は設立時期が90年代以前の団体は展示を,90年代頃に設立された団体は研究会を,2010年以降の団体は教育を行うという傾向があった.また,日本のSIやMIのプロのイラストレーターは関心に合う団体に分散して所属する傾向があった.全体としてSIやMIのプロのイラストレーターの巨大な職業団体や教育組織を持つ欧米とは,特徴が大きく異なることが明らかになった.

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