經濟學研究 = The economic studies;第65巻第2号

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現場における学習研究の現状と課題

高橋, 平徳

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/60366
KEYWORDS : 経験学習;状況的学習;水平的学習;職場学習;専門職連携

Abstract

今日,仕事の現場でのより効果的・効率的な人材育成や,目的達成のための連携の必要性が高まり,それを可能とする現場における学習メカニズムの解明が求められている。本稿では,現場における学習を検討する上での理論的枠組みを整理するため,経験学習研究,状況的学習研究,水平的学習研究,熟達研究,能力研究のレビューを行った。その結果,経験学習のプロセスを検討する上でのモデルや,獲得されている能力の内実,現場での学習を分析する上で検討すべき課題が抽出され有益な示唆が得られた。しかし一方で,水平的学習研究の視点に立った学習のリソースとしての経験や学習成果の内実の研究がほとんど空白であることや,連携のタイプや内実は明確化されていないこと,また,現場での学習プロセス全体を包括するモデルも未構築であり,現場で行われている連携による経験と能力獲得の関係はほとんど検討されていないといったように,現場における学習については,断片的な解明しかなされていないことが明らかとなった。今後,以上の各研究領域の知見をもとに研究枠組みを作り上げ,現場での学習プロセスの実証的分析を進めていくことが求められる。

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