科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;18号

FONT SIZE:  S M L

広報担当者が果たすべき役割についての考察 : メディアと研究者をつなぐ

岡田, 小枝子;渡辺, 政隆;今羽右左, デイヴィッド 甫;名取, 薫;土方, 智美

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/60403
JaLCDOI : 10.14943/71600
KEYWORDS : public relations;news media;JACST;research communication;research publishing;科学技術広報;メディア;科学技術広報研究会(JACST);コミュニケーション;研究成果発表

Abstract

2015年4月28日に開催されたシンポジウム「研究成果をなぜ発表しどのように伝えるのか〜科学と社会のより良い関係をめざす」の主催機関のひとつである科学技術広報研究会の,シンポジウム参加会員間における議論で,科学技術広報の課題や改善策が明らかになった.科学技術広報は,研究広報と組織広報という二つの側面を持ち,組織内で部署別の各広報担当者の適切な協働が必要である.研究者の広報への関与も重要であり,研究者倫理という枠の中で研究者が果たすべき広報活動,広報担当者との協働関係,また組織における広報担当者の位置づけの明確化が重要である.また,メディアおよび研究者との間にあって,広報担当者はメディアと研究者を媒介する潤滑油の役 割であるという認識の共有と,互恵的な関係の構築が求められる.研究成果のメディア発表については,発表に至る手順の精査や効果的な文章が書ける人材の登用や育成が重要であるが,研究者と広報担当者が適切な役割分担をして仕上げることも現実的な解決策である.クライシス時のコミュニケーションを乗り切るためにはメディアとのコミュニケーションに長けた人員を配した適切な体制を取ることが有効である.一方で,ソーシャルメディアの台頭にも留意すべきことが判明した.

FULL TEXT:PDF