荻生徂徠『大學解』における朱子學批判について
趙, 熠瑋
Permalink : http://hdl.handle.net/2115/60570
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.15.r61
Abstract
徂徠學の根幹は「古文辭學」である。荻生徂徠の「古文辭學」へのアプローチの作業は主に二つのルートで行われる。一
つは、「道」、「仁」、「徳」などの儒學基礎概念を再定義し、「徂徠學」の骨子を構築することにある。その成果としてあげら
れるのは『辨名』『辨道』である。一つは江戸儒學の權威である朱子學の「四書」を注釋することによって朱子學を批判し、
自らの徂徠學の「正しさ」を確立することにある。その成果は『論語徴』、『中庸解』、『大學解』、『孟子識』である。本稿で
は、徂徠の四書注釋の一冊、『大學解』において、反朱子學的な構圖をどのように構築されているのかを
證してみた。
證
の結果、徂徠の『大學解』では「古文辭學」という方法論のもとで、先王の道である「禮
」という中心テーマをもって、
『中庸解』、『論語徴』と連動し、獨特な徂徠流概念解釋で朱子学概念を置き換え、議論の
對象、實行の主體と實現の方法とい
う三つの論點で朱子の『大学』注釋を批判している。
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