研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第16号

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玄応音義に関する研究史と課題

李, 乃琦

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/63911
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.16.l85

Abstract

玄応音義は,完本で25巻,約9,430の掲出項がある。玄応音義は現存する最古の仏典音義であり,唐代初期の漢字音が反映されていることから,中国語学で重視されている。さらに,450以上の仏典を収録することから,当時通行していた仏典の種類や内容を知る手がかりとして,仏教学においても重要なものである。玄応音義には主に日本の写本(手書き)と中国の版本(木版印刷)が現存する。またフランス・イギリス・ドイツ・ロシアには敦煌・吐魯蕃から渡来した古写本の断片群が保管されている。従来,玄応音義中国版本にについての研究が盛んにされてきたが,それに対して,玄応音義日本古 写本については,未だ研究する余地が大いにあると言える。よって,それを含めて調査を行い,玄応音義の日本古写本を検討する必要がある。本論文は,主に中国に現存する玄応音義版本における先行研究をまとめ,それにより,日本古写本の研究方針を定めることを目的とするものである。

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