研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第16号

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BCCWJ を用いた基幹慣用句の選定

呉, 琳

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/63912
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.16.l99

Abstract

本研究の目的は,現代日本語における基幹慣用句を選定することである。「基幹慣用句」とは,林(1971)が提唱した「基幹語彙」にのっとった概念で,調査された言語資料の中で,多方面にわたって高頻度で用いられている慣用句の集合を言う。本研究の調査対象は,佐藤(2007)と橋本・河原により選定された926句(延べ936句)の慣用句である。調査資料は,『現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)』の書籍サブコーパスである。この書籍データは,図書館で利用される日本十進分類法(NDC)に従い,0.総記,1.哲学,2.歴史, 3.社会科学,4.自然科学,5.技術・工学,6.産業,7.芸術・美術,8.言語,9.文学,n.分類なしの11に下位分類されている。つまりは,書籍データにおけるジャンルごとの各慣用句の使用度数が調査可能である。その結果を基にして,慣用句がいくつのジャンルにわたって出現するかを広さの指標,使用度数の多少を深さの指標として設定し,複数のジャンルにわたって高頻度で使用される慣用句を基幹慣用句として選定する。

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