低温科学 = Low Temperature Science;第75巻

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北極域氷河の雪氷藻類群集と暗色化

竹内, 望

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/65083
JaLCDOI : 10.14943/lowtemsci.75.53
KEYWORDS : 氷河;雪氷藻類;暗色化;クリオコナイト;北極

Abstract

雪氷藻類は,氷河や積雪上で繁殖する光合成微生物である.本稿では,北極域氷河の生物学的な暗色化過程を理解するために,近年明らかになったアラスカ,スンタルハヤタ,スバールバル,グリーンランドの各氷河上の雪氷藻類群集を比較する.氷河裸氷域の藻類による暗色化には,2つのプロセスがあることがわかってきた.一つは暗色の色素を持った緑藻の繁殖によるもので,もう一つはシアノバクテリアによるクリオコナイト形成によるものである.さらに積雪域では,赤雪を引き起こす緑藻の繁殖が,アルベド低下の一因であることがわかってきた.それぞれの雪氷藻類の繁殖に関わる環境要因の解明と繁殖のモデル化,さらに物理モデルに基づいたアルベドへの影響評価が,今後の課題である.

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