研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第17号

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近代日本新聞の中国への導入について : 『実学報』「東報輯訳」「東報訳補」欄の場合

陳, 静静

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/67974
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.17.l67

Abstract

『実学報』は『時務報』の次に日本の新聞記事を訳出・掲載した中国語新聞である。当時は翻訳者の人材育成がまだ不十分であったので,日本人漢学者の古城貞吉が『時務報』の東文翻訳を担当したのに対し,『実学報』は「東報輯訳」「東報訳補」欄を設け,中国人の訳者達に依頼して,日本の新聞記事を翻訳した。時が経つのにつれて,原本の新聞記事は散逸しつつある。近年,中日両国で新聞の複製・出版が行われ,古い新聞のデジタル化・テキスト化も盛んになってきた。従って,当時の中国に近代日本のどの新聞が翻訳され,そしてどの記事が使用されたかは,中国語訳文の出典記録や新聞の中国語訳を通してその大体が判明してきた。しかし,その中には出典の不明や出典の誤記もあるので,中国語訳と日本の新聞記事の精確なコーパスを作るためには,それらの検討が不可欠である。本稿は先行研究を踏まえて138本のソース記事について調査した報告である。

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