研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第17号

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林鵞峰『論語集注私考』について : 明代の著作の引用状況と『論語』解釋の特徴

関, 雅泉

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/67984
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.17.r1

Abstract

國立公文書館に所藏されている林鵞峰の『論語集注私考』は、『論語』に關する解釋書である。鵞峰は林家の繼承者として、その學風は父の羅山から大きな影響を受けている。彼は朱子『論語集注』に基づいて解釋を加え、明代の著作を屡々引用し、強い關心を示している。本稿では、『論語集注私考』における明代の著作の引用状況及び鵞峰の解釋について考察し、さらに朱子『論語集注』と對比しながら、鵞峰の『論語』解釋の特徴を明らかにしたい。結論として、鵞峰は明朝から新しく渡來した書物を積極的に渉獵し、新古注を折衷する清原家の學問とは異なる見解を示している。また、『論語』解釋には朱子と違う點があるが、全體的にみれば、鵞峰の解釋の特徴は朱子の『論語』解釋を踏襲し、異學を排撃する朱子學一尊主義にあることは明らかである。

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