北海道大学文学研究院紀要 = Bulletin of the Faculty of Humanities and Human Sciences, Hokkaido University;第154号

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杜延業《群書新定字樣》再考

池田, 証壽

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/68674
JaLCDOI : 10.14943/bgsl.154.l1
KEYWORDS : 東宮切韻;法華経釈文;和漢年号字抄;切韻;干祿字書

Abstract

杜延業『群書新定字様』逸文について,これまでに指摘のある『法華経釈文』「雇」字条と『切韻』残卷「叩・撿・挍」字条に,未紹介の逸文「爵」字条と「福」字条を加えて,その内容を検討する。逸文の検討に際しては,直接引用かどうか,引用文そのものかどうかに留意し,形・音・義を総合的に考察する方法による。「杜延業」を明記する確実な逸文(引用文)は,「雇・爵・福」字の三条であり,これらに共通するのはいずれも本義でなく転義を示すことである。スタイン将来敦煌本388番の前半に收録する『S388字様』(仮称)が『群書新定字様』であると断定されて久しいが,新出の逸文はその再考を促すものである。

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