Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72192

KEYWORDS : CSR;監査;保障;職業会計士;非職業会計士

本稿は，主に職業会計士以外の保証主体（非職業会計士）によって行われている代表的なCSR保証サービスを，監査論における保証の観点から検討し，その特質を明らかにするものである。それにより，今日行われている多様なCSR保証サービスにおける，職業会計士による保証業務の位置付けをより明確化することを意図している。検討の結果，非職業会計士によるCSR保証サービスは，保証命題と保証水準の観点から職業会計士によるそれとの類似性が見られる一方，保証の実効性という観点からは，職業会計士による保証業務と比較して「弱い保証」が付与されていることが指摘される。さらに，こうした弱い保証は，非職業会計士によるCSR保証サービスが行われる目的と，当該保証サービスの成否が資本市場，経済全体へ与える影響の程度に関係しており，職業会計士による保証業務の位置付けもそれらの観点から明確化されることが指摘される。