科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;24号

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科学館での活動が大学生に与える影響 : 大学生の科学館に対する認識の変容に着目して

高橋, 一将

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72235
JaLCDOI : 10.14943/86612
KEYWORDS : 科学館;教員養成系大学の学生;科学館に対する認識;Science Centers;Pre-service Teachers;the Perceptions of Science Centers

Abstract

本研究では,教員養成系大学の大学生に着目し,旭川市科学館サイパルでの活動が彼らの科学館に対する認識をどのように変化させるのかについて明らかにした.研究対象は,大学?年生21 名である.学生が支援した科学館の活動は,科学工作教室,科学に関するイベント,常設展示案内,そして,講演会であった.これらの活動への参加前後でアンケート調査を行った.自由記述による回答は,KH Coder による総抽出語数の計数や頻出語の抽出,そして,複数の研究者によるカテゴリー分けによって分析した.量的データは,EZR を用いて統計的に分析した.分析の結果,科学館での活動を経て,大学生は科学の学びにおける科学館の意義と地域社会における科学館の重要性について認識を深めることができたと考えられる.また,活動を通じて,大学生の教師になったときの授業での科学館の利用意欲は高く維持されたこと,活動後に,彼らは,科学館を利用した授業を行う分野や授業で扱う対象を具体的に想定できるようになったことを指摘できる.以上の結果より,対象とした大学生が将来教師として旭川市科学館サイパルを有効活用することも十分に期待でき,このような活用は,旭川市科学館サイパルが「博物館法」で定められた学校教育への協力と支援を果たす機会の1つとなるだろう.

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