北海道大学演習林試験年報;第3号

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桧山地方演習林の土壌とスギ造林木の性質

氏家, 雅男

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72691

Abstract

スギ (Cryptomeria japonzca D. DON) は、わか国における最大の造林樹種であるが、北海道では、気象条件か本州北部と類似している南部の林地に植栽されているに過ぎない。しかし昭和57年度の統計(I)によると、北海道では223haのスギ林地が造成され、とくに民有林において活発である。桧山支庁管内上ノ国町にある北海道大学桧山地方演習林では、1956年創設以来、スギの造林試験に努力を注ぎ、今期の長期計画においても、北限スギ人工林の施業法の体系化を試験課題に掲げている。 本研究は、立地と林木の生長の関係を明らかにする目的でなされた。まず桧山地方演習林の土壌の現状を把握するため、1972年広葉樹二次林を含む3カ所の土壌調査と分析を行った。つぎに1984年、スギ植栽後およそ20年を経過した、標高別の標準地4カ所(標高の高いところから順にPlot1、2、3および4)の現地土壌調査と毎木および植生調査を実施した。さらに各標準地より平均に相当する代表木を伐採して、その生長過程を樹幹析解でしらべ、その際同時に同一高てとった各円板について髄から5年毎にサンプリングしてブロックを調製し、生材含水率、容積密度数、年輪幅、心伐率等の理学的性質を追求した。またあわせて、各代表木から、葉を含むすへての枝を採取し、その数、長さ、重量をはかり、実験室にもちかえった種々のサンプルから、褐色を呈している部分(枝)と緑色からなる部分(葉)に分けて、重さと水分を測定し、これらを総合して各4カ所の立地毎のスキ地上部現存量をヘクタール換算で算出した。 なおこの研究は、北大桧山地方演習林工藤弘教官、北海道林木育種試験場片寄繰技官との共同研究で、本年の北海道大学農学部演習林研究報告(2)に発表されている。

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