北海道大学演習林試験年報;第3号

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ハリギリ山引苗の利用

久野, 和重

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72671

Abstract

近頃、北海道の広葉樹資源について話題にのぼることか多い。これにはいくつかの問題が考えられるが、以下の2点にまとめることができるだろう。 1つには、利用の拡大に伴い、広葉樹材の価値か上昇する反面、資源量が減少していること。2つめは、1と関連するが、針広混交林をベースにした北海道型林業技術の確立の問題である。 このような点から、従来の針葉樹中心で、しかも、本州のスギ型林業の模倣であった育林技術の見直しが迫られている時期ではないかと考える。現場においては、機械力による掻起しなど、いくつかの試みが定着しつつあるが、まだ多くの問題が解消されていない。とくに有用広葉樹の育成技術は、特定の樹種を除き、不明な点が多くある。したがって今後天然更新をはじめ、播種・植栽など全ての樹種を対象にした総合的な技術の開発が急がれる。このような観点から、今回は有用広葉樹の1つであるハリギリの山引苗による植栽地の実例を報告する。

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