北海道大学演習林試験年報;第4号

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下水汚泥の苗畑への施用

氏家, 雅男;門松, 昌彦;菅田, 定雄;鎌田, 暁洋

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72579

Abstract

わが国では都市の発展や人口の集中に伴い、下水道終末処理場を全国的に建設している。1976年現在約500箇所が稼働中であり、年間65億m3の下水が処理され、発生した最終汚泥は240万m3といわれている。しかし、そのほとんどが、陸上ないし海面埋立てにより処分され、有効利用はわずか15%に過ぎない。しかも海洋投棄の法的規制の強化と埋立て地の不足は、大きな問題となっており、一方汚泥を自然界に還元することは、生物圏における物質循環の上で、まことに理にかなっていると思われる。けれどもその肥効・衛生・重金属汚染など解明しなければならない課題が山積している。汚泥を還元するということで、農林地を「ごみ箱」としたり、病原菌をまき散らすことは決して許されず、有機物含有量の低下による地力の減退を防ぎ、土壌を健全に保持してゆくことこそ重要である。 名寄市では、1975年から活性汚泥法による下水処理場が運転をはじめ、発生した汚泥の処分に頭を悩ましている。北大名寄林木育種試験場でも、市から依頼をうけて生産苗畑にこれを応用してみた。

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