北海道大学演習林試験年報;第6号

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林内雨の無機成分について

藤原, 滉一郎

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72810

Abstract

この3年、札幌苗畑と簾舞試験地・定山渓の薄別で降雨と、樹冠雨・樹幹流の無機成分の動態を測っている。この仕事は「河川水質保全に及ぼす水源林の機能に関する研究」(代表者:岸力教授)の一部で、その目的は、酸性雨が地球規模で問題になり、森林にもいろいろな形で圧力を加えているが、酸性雨が直ちに鉱物質土壌や基岩に入った場合重金属など有害物質を溶出することが想定され、森林がある場合の実態を解明することである。変動が激しく、また測定力法が後述するように原始的なため、本質的な問題に入ることはできないが、森林の取扱いを考える場合、あるいは森林の推移をみる場合に、条件として含むべきいくつかの事象について報告する。この測定には、佐藤冬樹氏の協力に負うところが大きく、また、笹木・奥谷技官、学生諸氏の協力をうけた。さらに、分析器械は、土壌学講座のものを使用し、蒸留水は氏家教授の調整したものを使用するなど、多くの方々のご協力をうけている。なお、この研究の一部は、昭和63年に駒崎里美氏が「森林の水質保全機能に関する研究」(修士論文)として報告している。

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