北海道大学演習林試験年報 - 第8号

雨竜地方演習林内に分布する新第三紀火山岩の化学組成

後藤, 芳彦

Permalink :  http://hdl.handle.net/2115/72870

Abstract

北海道大学雨竜地方演習林の地質は、朱鞠内以北に分布する新第三紀の火山岩類と、朱鞠内以南に分布する神威古潭帯の超苦鉄質岩類(蛇紋岩類)に大別できる。新第三紀の火山岩類は厚い赤色の土壌を形成しており、その上にはトドマツやミズナラなどからなる針交混交林が成立している。一方、超苦鉄質岩類は粘土鉱物に富む保水性の高い土壌を形成しており、その上にはアカエゾマツを主とした純林が形成されている。 このように雨竜地方演習林内では、表層地質が森林の形成に与えている影響は大きく、地域を構成している岩石の特性と、それらから形成される土壌の性質を明らかにすることは、森林形成のメカニズムを明らかにする上で重要である。しかしながら、雨竜地方演習林内に分布する火山岩類、超苦鉄質岩類の岩石記載や化学的性質はこれまでに報告されていない。筆者は今回雨竜地方演習林内およびその周辺地域の第三紀火山岩類の全岩化学分析を行ったのでここに報告する。


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