北海道大学演習林試験年報;第9号

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アカエゾマツ苗木の大きさと植栽後10年目の樹高について(III) : 選苗基準について

門松, 昌彦;工藤, 弘;船越, 三朗;菅田, 定雄;鎌田, 暁洋

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72883

Abstract

第1報で述べたように、山出し時におけるアカエゾマツ苗木の大きさの優位性が植栽後いつまで持続するかは、更新技術に関連して大変興味深い。すなわち、もし大きい苗木がいつまでも大きいならば、厳密な選苗基準を設けなければならないであろう。また、このような基準で選んだ苗木による更新地では下刈年数が少なくて済むであろう。 既報では、天塩・中川・雨竜地方演習林の試験地における苗長と植栽10年目の樹高との関係を解析し、全体として大きな苗木は植栽後も大きいという結果を得ている。しかし一方で、比較的大きい方の苗長階(苗長階の区分については後述)で、苗長と樹高の関連性が希薄になる傾向もみられた。このことから、単純に大きい苗木を選べばよいともいえそうにない。 そこで、苗木の選苗基準を明確にするために、苗長階を無視して新たに苗長と樹高の相関関係を調べたので報告する。

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