Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72987

水資源の確保に対する危機感が増大する中で、わが国においても山地源頭部の大部分を占める森林の機能に対する関心かクローズアップされている。しかし、地形および植生の複雑さのために、森林の機能（ここでは水源涵養能としておく）についての定量的な評価は十分であるとは言い難く、流出についての観測事例を蓄積していく必要がある。 天塩地方演習林では北海道の代表的森林であるアカエゾマツ林の水源涵養能を検討するため，蛇紋岩地帯である河東地区において流域観測をおこなっている（その詳細は試験年報第9号参照）。これまで、アカエゾマツ林流域とササ地流域の渇水流量を比較したものなどを報告したが、今回は増水期である降雨時のアカエゾマツ林流域の流出および水質についての観測例を紹介する。