北海道大学演習林試験年報;第10号

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サケ科魚類の生態学的研究III : 異種共存機構と生活史変異

中野, 繁

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72985

Abstract

サケ科魚類の各魚種は北海道の河川魚類群集の中心的な構成種であり、水産資源として、また釣り等の遊漁の対象として重要な位置を占めている。しかしながら、北海道産のサケ科魚類の生態に関する基礎的な研究は、シロザケ、サクラマスおよびカラフトマスなどの一部の水産上の重要種を除くと現在に至るまであまり多く行われて来なかった。また、近年、アメマス(イワナ)、オショロコマおよびイトウなとの在来のサケ科魚類の一部は、生息環境の悪化や乱獲などによってその資源量の激減が憂慮され始めている。これらの種の資源の保護や増殖を図るためには、河川等の水域の環境の保全や積極的な造成・復元に努めるとともにその基礎的な生態を明らかにしてゆく必要がある。これらの内の前者については、中川地方演習林の試験課題の中に位置づけいくつかの試みを行いつつあり、本試験年報でその一部を報告している。ここでは、後者の課題の内筆者が試験年報第8号での報告以降に行った、もしくはその後研究に進展をみた研究課題について報告する。

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