北海道大学演習林試験年報;第10号

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トドマツ精英樹つぎ木クローン間の材質に関する2,3の特性の相違

氏家, 雅男;工藤, 弘

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72960

Abstract

トドマツ (Abies sachalinensis MAST.) は、北海道の天然林において最も蓄積量が多く(およそ1億m3、森林蓄積の20%を占める)その材は住宅建築に主として用いられ、背板等はパルプ用のチップとして、大量に利用されている。そのためトドマツは、主要な造林対象樹であり、現在大面積にわたって植栽されている。しかしこの樹種は、気象害や病虫害に対する抵抗力は比較的弱く、また幹材はしばしは低比重で、年輪幅が広すぎたり、水食い材の発生が見られるなど問題も多い。 国有林では、優良種子によるトドマツの造林を図る為、天然林および人工林から多数の精英樹を選抜し、つぎ木によってクローンを作出し、道内各地に採種園を造成している。本研究では、林木育種センターの片寄髞氏と共同で、クローン間の材質の相違について調べ、林学会誌に投稿しているが、ここではその概略を説明したい。

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