北海道大学演習林試験年報 - 第11号

サケ科魚類の生態学的研究IV : 人間活動の影響(移入種・酸性雨・砂防ダム)を中心に

中野, 繁

Permalink :  http://hdl.handle.net/2115/73171

Abstract

サケ科魚類の仲間は、北半球の温帯中部以北に広く分布し、特に北極局辺地域を含むいわゆる北方圏の淡水域では魚類群集の重要な構成要素となっている。サケ科魚類の多くは世界各地で古くから重要な水産資瀕となっており、近年では多くの地域で遊漁等のレクリエーションの対象となっている。しかしながら、これらの魚種の分布城は高緯度地方の一部を除き、ヨーロッパ諸国、東アジアおよび北米のいずれにおいても早くから開発が進められてきた地城である。現在では、我々人間の活動の様々な影響によって多くの天然個体群が危機的な状態にあり、一部の地城では、すでに絶滅が報告されている。筆者は過去3 回、試験年報において河川性サケ科魚類の基礎的な生態研究(種間関係・生活史変異および繁殖戦略等)についての報告を行ってきた。今回は、近年の研究および諸外国での現況祖察に基づき、人為的な環境変化がサケ科魚類に及ぼず影響について紹介したい。


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