北方森林保全技術 = Technical report for boreal forest conservation of the Hokkaido University Forests;第34号

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JavaScriptを利用した森林可視化への取り組み : 毎木調査データを利用して、森林を立体描画する

早柏, 慎太郎

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72983

Abstract

研究林には様々な調査によって多くのデータが蓄えられており、長期観察林の毎木調査データもその一つである。天塩研究林では古いものでは1985年から調査を開始し、現在21箇所にて継続調査している(図-1)。長期観察林より得られた毎木調査データは、森林の構造や動態を明らかにする用途に用いられる他、近年では航空機ライダー測量との整合性を確認することなどにも利用している。毎木調査データは、個々の木の位置情報、胸高直径、樹高など(図-2)からなるが、これらの情報から森林構造を理解するためには、樹冠投影図や樹種毎・径級毎の頻度分布図の作成などが必要となる。しかし、森林の立体構造を描画する方法は限られており、研究林では今まで、山形大学の野堀先生が開発された「Forest Window」がよく利用されている。このソフトウエアは、調査データに基づいて森林の三次元構造を描画することが可能であり、細かなパラメータも設定できるため汎用性が高い。その反面、個々の樹木の情報や、林分の統計情報を参照しづらいことなどが直観的な森林構造の理解の妨げとなっている。このような問題を克服し、森林の立体構造や統計情報を簡単に可視化できるソフトウエアを開発することができれば、観測データの品質管理作業を効率的に行うことが可能となり、さらには研究・教育用途にも利用できると考えられる。そこで今回、このようなニーズに対応できる汎用性の高いソフトウエアの開発を試みた。

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