メディア・コミュニケーション研究 = Media and Communication Studies;72

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L’évolution de l’artisanat aïnou en art primitif moderne : transferts et appropriations culturelles (1ère partie)

Clercq, Lucien

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/73286
KEYWORDS : Aïnous;Appropriation culturelle;Art primitif;Fujito Takeki;Hybridation culturelle;Sunazawa Bikky;アイヌ;文化の適応;先住民芸術;藤戸竹喜;文化のハイブリディティ;砂沢ビッキ

Abstract

1952年から1990年にかけて日本が高度の経済成長を遂げていく中、極度の貧困状態にあったアイヌもまた、エスノツーリズムや独自の社会文化的表現を用いた手工業などを通じ、その恩恵に与ろうとした。観光コタンにおける新しい形態の観光は、アイヌのなかに中流階級を出現させ、その直接行動主義の土台を強化しながら、北海道特有の民族的アイデンティティを中心になされた先住民文化の再評価と、そうした文化的特徴を備えた特産品の売行きに支えられて発展を遂げていった。現代におけるアイヌ文化のフォークロリズム化の過程を分析すれば、金もうけ主義といまだ根強く行われているアイデンティティの表明とが、コミュニティー外の大衆に向けられた製作品のうちでどう絡み合っているのかが見て取れる。アイヌの手工業は、長い商売の歴史と不可分であり、19世紀の初頭より既に漁労や狩猟で得られた産物の販売と併せて行われていた。アイヌの手工業はその頃から徐々に北海道観光全体を補完する重要な要素へと変貌していったのである。

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