子ども発達臨床研究 = The Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development;第14号

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戦後北海道の幼児教育・福祉実践研究の源流 : 北海道大学[幼児園]の成立について(1952-1968年)

市澤, 豊

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/77551
JaLCDOI : 10.14943/rcccd.14.83
KEYWORDS : 特殊教育講座;教育実験施設「北大幼児園」;幼児教育と児童福祉;発達臨床研究と教授;北海道保育問題研究会

Abstract

 現北海道大学大学院教育学研究院附属「子ども発達臨床研究センター」は、教育学部創設期の1952年に開始された野外保育施設「北大村幼稚園」を始源とする。名称は、特定されることなく変転したが1952年11月頃に「北大幼児園規則」の制定により改組され「北大幼児園」が正式名となる。そして1968年に教育学部発達心理学講座の「実験保育室」となる。  本稿は、「北大幼児園」の成立事情と発展過程について検討し、その史的役割を「乳幼児教育と保育の一元的実践的役割」、「乳幼児に関する臨床研究的役割」及び「教育・保育問題の研究と支援的役割」の三点について戦後北海道における幼児教育と児童福祉にかかわる実践史的研究の源流と位置づけた。論述に当たっては、幼児園主事であった奥田三郎特殊教育講座教授が所蔵していた一次史資料と筆者が蒐集した史的資料を史実解明の原資として、それらの史資料を書き遺すよう意図した。今後の課題は、北大幼児園の教育・福祉の実践資料の発掘と検討にある。

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