北海道歯学雑誌;第40巻 第2号

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スダチチンは破骨細胞の分化誘導を抑制する

萇崎, 誠治;吉村, 善隆;飯村, 忠浩;山崎, 裕

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/77613
KEYWORDS : 破骨細胞;ポリメトキシフラボノイド;スダチチン

Abstract

近年,香酸柑橘類であるスダチの果皮から,ポリメトキシフラボノイドの一つであるスダチチンが発見された.そして,これまでに強力な抗酸化作用を始め,様々な生理活性があることが報告されている.本研究では,スダチチンが破骨細胞の分化誘導系のどの時期に作用しているかを検討するために,スダチチン投与後の破骨細胞数を核数別に測定し,破骨細胞の分化誘導系におけるスダチチンの影響を検討した.TRAP 染色にて,総破骨細胞(2核以上)数,核数別の小型破骨細胞(2-7核)数および巨大破骨細胞(8核以上)数を測定した.スダチチンの最終濃度を7.5 μM とし,分化誘導培地にてスダチチンを培養1日目,3日目ともに投与したA 群,スダチチンを培養1日目のみに投与したB 群,スダチチンを培養3日目のみに投与したC 群とスダチチンを投与する日数に場合分けを行い,5日後,同様に破骨細胞数を測定した.B 群,C 群と比較し,A 群の方が破骨細胞の分化誘導を抑制した.B群とC群を比較すると,C群の方が8核以上の巨大破骨細胞の分化誘導を抑制した.次に,スダチチン投与,3,6,12,24,96 時間後の破骨細胞関連遺伝子の発現量をReal-time-PCR 法で定量した.その結果,NFATc-1,RANK,CD47,TRAP,and OC-STAMP においては有意に発現量の減少が認められた.以上の結果から破骨細胞の分化誘導系においてスダチチンは,分化初期から後期にかけて抑制的に作用していることが示唆された.

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