「専門」,「情報」の前に在る「現場の経験」
米山, 喜久治
Permalink : http://hdl.handle.net/2115/77848
KEYWORDS : 現場の経験;専門;情報;断片化;手で考える
Abstract
1945年敗戦後の復興と高度経済成長は,主としてアメリカからの技術の導入・移転を基礎に国民の懸命の努力によって達成された。GNP世界第2位となった時点で明治維新以来の目標,欧米先進諸国へのキャッチ・アップは達成されたのである。現代日本は環境問題,人口減少,少子高齢化,東京1極集中,過密過疎,労働力不足対策としての外国人労働者受け入れ等重大な問題に直面している。
加えて2011年3月11日の東日本大震災と大津波,東電福島第1原発炉心溶融の深刻重大事故は,痛打となって日本の近代化を根底から問うものである。社会問題,原発問題,自然災害の多発さらに断片的情報の洪水も伴って混迷と閉塞感は深くなっている。激変する環境と山積する先進的諸問題の解決には,政府,企業はもちろん日本人個人レベルにおいても主体性と独創性が,要求されている。導入しうる外国製モデルがないことを自覚して,自らの独創性を発揮しこれを克服しなければならない。必要なのは先史時代以来蓄積されてきた経験の徹底的な分析・検証と貴重な知的遺産の継承である。その上に現場の経験を結合させて「手で考える」ことによりオリジナルなアイデアを発想し,実践することである。
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