研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第20号

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自然栽培の世界観とケアの質的研究 : 季刊書籍『自然栽培』の内容分析から

福島, 令佳

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/80783
JaLCDOI : 10.14943/rjgshhs.20.l73

Abstract

自然栽培で農福連携を行うことで,障害者と支援者のケア関係が良好になることが明らかにされつつある。自然栽培では,栽培植物への愛情やわが身になって世話することが重要視されており,「農作業」という言葉では表現しきれないケアの要素をもつ営みがある。福祉現場のケアに良好な影響を与える自然栽培の世界観とはどのようなものなのか。本稿では,自然栽培でリンゴ栽培を成功させた木村秋則氏が監修する季刊書籍『自然栽培』を分析対象とする。そこにおいて,栽培植物,その他の生き物や考え方に関する記述を抽出し,その世界観が福祉現場におけるケアに与える可能性を考察する。分析結果から,栽培には「わが身になって考える」事や「愛情」等が必要という自然栽培独特の世界観が明らかになった。その世界観が生み出す栽培植物へのケアの在り方が,福祉現場に良好なケアの関係性をもたらす可能性があることが示唆された。

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