科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;29号

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今,そしてこれから何が求められるか : COVID-19 対策に関する科学技術コミュニケーションの経験から

西浦, 博

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/82474
JaLCDOI : 10.14943/99340
KEYWORDS : 新型コロナウイルス感染症;科学と政治;クライシスコミュニケーション;リスクコミュニケーション;科学技術コミュニケーター;COVID-19;science & policy;crisis communication;risk communication;science communicator

Abstract

筆者は理論疫学の専門家として,新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の傘下であるクラスター対策班で,新型コロナウイルス感染症の分析および対策に関する提言を2020年2月から7月まで行った.会見発表だけではなく,Twitter での発信も行うなかで,コミュニケーションの専門家の支援も受けた.現在の日本では,科学と政治の関係性が幼弱であり,専門家による政治への踏み越えや,政治による専門家への責任転嫁など課題が多い.このような状況を経た今,科学技術コミュニケーターが果たす役割は非常に大きなものになると思われる.科学技術コミュニケーターには,科学が発すべきメッセージの中枢のデザインにまで大きく影響を与えるような専門家になっていただきたいと希望する.

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