研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第23号

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現代日本語における数量詞の種類について

張, 琴琴

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/91098
JaLCDOI : 10.14943/rjgshhs.23.l283

Abstract

本稿は,「約3冊,大体50人,大体30人前後…」のような物事の量・数を曖昧に表すものを含め,日本語の数量詞を包括的に分類したものである。従来の研究では,語彙的意味内容により数量詞は7種類に分けられ,数詞の後ろに類別詞が付くか付かないかによって2種類に大別されてきた。しかし,いずれの分類においても,あらゆる数量詞を対象としており,体系的に分析されているとは言えない。そこで,本稿は「2個,5匹,たくさん,かなり…」といった数量詞だけでなく,「大体7頭,20人ぐらい,大体30人前後…」のようなものも考察対象とし,準特定数量詞という新たな分類を提案する。結果としては,特定数量詞,不特定数量詞,準特定数量詞という3つのカテゴリーに分類した。また,今まで数量詞構文や遊離数量詞などが盛んに議論されてきた一方,数量詞の種類についてはあまり注目されていなかった。そのため,本稿が提案した準特定数量詞というカテゴリーに属するものは,ほとんど分析対象とされなかったと言える。したがって,準特定数量詞の下位分類として,どのようなものがあるのかについて細かく説明する。以上のように,本稿では数量詞を整理した上で,新たな分類を提案し,数量詞の種類について体系的に考察を試みる。

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