北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第107号

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幼児の描画にみる内在的表現行為

佐藤, 公治;長橋, 聡

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/38705
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.107.1
KEYWORDS : 幼児の描画過程;想像とイメージ;運動イメージ;時間イメージ;絵物語

Abstract

本論は,幼児が日常の中で経験したことや出来事を描画として表現したものは彼らの運動イメージと時間イメージをもとにして展開された表象活動によるものであるという視点に立って,その描画の生成過程の分析を通して幼児の描画表現の特徴とその意味を論じたものである。はじめに描画の中に含まれているイメージ表象について運動イメージと時間イメージとの連関性について論じた。ついで,幼児の描画の特徴として,時間を固定させた空間表現ではなく時間を表現することを重視した表現方法が取られていること,そのような表現方法としての「絵物語」的表現の持っている意味について考察した。ここでは幼児が一枚の絵を完成するまでの生成過程を分析・考察の対象にしたが,そのことによって描画の形態分析だけでは明らかにすることができない彼らの表現の意図や表現構成の過程を解くことが可能になった。

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