經濟學研究 = The economic studies;第63巻第2号

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国際機関における環境サービス貿易に関する議論の進展状況 : グローバル環境ビジネスの国際比較に向けて

佐々木, 創

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/54580
KEYWORDS : サービス取引;第3モード;環境産業;海外展開;トータルマネジメント

Abstract

本稿では,将来,環境サービス貿易に着眼し,グローバル環境ビジネスの経済分析を実施するために,まず世界貿易機関(WTO),国際通貨基金(IMF),経済協力開発機構(OECD),欧州連合統計局(EUROSTAT)などの各国際機関において環境サービス貿易がどのように定義されているかを整理した。WTOにおいては,環境サービスに関する議論について大きな進展が見られていないといってよい。また,IMFは「国際収支統計」の集計方法が改定されたが,環境サービスの貿易量を把握する方向性は示されていない。こうした中で,OECD/EUROSTATがIMFのBPM5を細分化し,独自にWaste treatment and depollutionの貿易状況を把握しているが,その運用方法は不明瞭であることが明らかになった。こうした中で,日本政府が国際交渉の場で停滞している環境サービスについて我が国の立場を表明することは,日本の環境産業がトータルマネジメントとして海外展開する際に,進出国において運営許可取得や外資参入規制など非関税障壁を取り除くことや軽減する手段として,将来的に活用できると期待される。

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