Permalink : http://hdl.handle.net/2115/54582

KEYWORDS : CO2排出;削減政策;省エネルギー;再生可能エネルギー;経済成長

世界一のCO2排出国である中国は,気候変動の影響やエネルギー供給の制約などを解決しようとして,様々な削減策を打ち出した。本論文は中国が実施している削減策を検証し,削減策が全面的かつ高エネルギー消費産業に重点を置くことと,現時点で省エネルギーと再生可能エネルギーの代替を柱としてCO2の排出を削減しようとしていること,この二つの結論が得られた。しかし,削減策の数が多いものの,中国では,CO2排出の回収・隔離のような直接的なCO2削減策の実施に関しては遅れておる。さらに,産業構造の転換や,投資,消費,輸出という中国の経済成長を牽引している成長方式,中央政府が策定した政策施行の不徹底的事実,大型国有企業の抵抗など課題にも直面している。CO2の削減,そして温暖化問題に対する他の解決策の成功は,世界が一丸となって協力する必要がある。中国に対して,石炭ガス化複合発電（IGCC）など特に技術レベルが高く,エネルギー生産性が高い日本からの協力が非常に重要である。二国の協力により,win-winの効果が得られ,より一層発展ができると考えられる。