子ども発達臨床研究 = The Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development - 第20号

第一子養育初期における子育て支援資源へのアクセスとその課題

山崎, 寛子;谷守, 結;川田, 学

Permalink :  http://hdl.handle.net/2115/92668
JaLCDOI :  10.14943/rcccd.20.65
KEYWORDS : 第一子; 養育初期; 子育て支援資源; 乳幼児健康診査; first child; early phases of parenting; parenting support resources; infant health check-up

Abstract

 札幌市の1 か月児および4 か月児の養育者を対象とした質問紙調査により、第一子の子育ての初期において、養育者がどのように育児情報を取得し、どのような悩みや不安および相談相手を持ち、子育て支援のための諸資源にアクセスしているかを検討した。調査に協力した105 名(1 か月児25 名、4 か月児80 名)について、全体的に子育ての相談相手はいるものの、その相手は夫・パートナーが8 割と高く、「近所の人」は9 割以上が「あてはまらない」と回答した。子育ての悩みや不安を解消するために利用する資源は、1 か月児・4 か月児ともに、家族・友人(約8 割~ 9 割)、SNS(約7 割)、インターネット動画(約6 割)の順に高かった。「市の情報」は1 か月児で12%、4 か月児で20%、「子育て支援施設」はそれぞれ4% と16.3% というように、生後1 か月から4 か月にかけて、育児情報や子育て支援資源のバリエーションが増えていくと考えられた。しかし、対面形式の子育て支援の認知について、4 か月児においても「知っているが利用したことがない」が約7 割から8 割に上ったことから、ニーズのある養育者が利用に結びつくようなきっかけをどう工夫するかが今後の課題と考えられた。


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