北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第140号

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青森県における高卒後の進路状況に関する研究 : 地域間格差,ジェンダー差に着目して

廣森, 直子;宋, 美蘭;上山, 浩次郎;上原, 慎一

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/86269
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.140.337
KEYWORDS : 青森県;地方の若者;若者の就職;大学進学の地域間格差;ジェンダー差;地域 労働市場;Aomori prefecture;young people in local areas;regional disparities in college enrollment;gender gap;local labor market

Abstract

 本稿の目的は青森県の高校卒業生の進路を地域間格差,ジェンダー差に着目して明らかにすることである。その結果,青森県の高校生の進路状況を全国と比較すると,大学・短大への進学率の低さと就職率の高さが特徴的であることや,専門学校進学率は一貫して全国より低いことが明らかにされた。  青森県の地域区分は6つに分かれており,主要3市(青森,弘前,八戸)を含む3地域(東青・中南・三八)と,郡部の3地域(西北・上北・下北)である。また,青森県内の大学は11校,短大は5校,専門学校は26校あるが,青森県内の高等教育機会は主要3市を含む3地域(東青・中南・三八)に偏在しており,地域間格差が見られる。  高校卒業生の進路状況では,全体として男性ほど就職率が高く,女性ほど進学率が高い。青森県内のいずれの地域も同様の傾向が見られた。地域区分別にみると,東青・中南・三八は進学率が高く就職率が低く,西北・上北・下北は進学率が低く就職率が高い。進学率が高い地域と低い地域(就職率が低い地域と高い地域)があり,「二極分化」の傾向が見られた。こうした傾向は高等教育機会の供給の地域分布に影響を受けつつ,高校偏差値の地域的な格差によって生じている。第4章にあるように,この傾向は北海道とは異なる現象として現れている。

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