科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;34号

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ロボットを通して人間について考える 特別展「きみとロボットニンゲンッテ,ナンダ?」開催報告

三池, 望;園山, 由希江;宮田, 龍;小澤, 淳

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/91396
JaLCDOI : 10.14943/109334
KEYWORDS : 日本科学未来館;ロボット;科学技術コミュニケーション手法;科学館;展覧会;The National Museum of Emerging Science and Innovation - Miraikan;robot;science and technology communication;science museum;exhibition

Abstract

2022 年3月18 日から8月31 日まで東京・お台場にある日本科学未来館(以下,未来館)で開催された特別展「きみとロボットニンゲンッテ,ナンダ?」(以下,きみとロボット展)は,国内展覧会最大規模となる約90 種130 点のロボットを中心に据えた科学技術を展示し,来場者に「人間とは何か?」を問う野心的な展覧会である.特筆すべき特徴は,ロボット技術を通して人間について考えるキュレーションコンセプトであり,今の先端技術が人間の体・心・命とどのように関わり,どのような未来の選択肢をもたらすかに着目していることである.本稿では本展の設計意図,展示構成と工夫,関連イベント,来場者アンケート調査及びSNS 上の話題性について挙げ,本展における科学コミュニケーション活動の特色とその有効性について分析した.その結果,来場者の展示内容に対する満足度や理解度の高さが明らかになった.また,来場者がロボットと人間の関係性をより自分事として認識するための強いメッセージ性を打ち出した空間演出が効果的に機能し,さらに実際にロボットを装着・操作,インタラクションする体験展示を通して,具体的にロボットと来場者自らの関係性や未来を思い描くきっかけを作ったと考えられる.

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