經濟學研究 = The economic studies;第58巻第4号

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部品標準化と範囲の経済 : 固定費用と可変費用からのアプローチ

井川, 一宏

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/37297
KEYWORDS : 固定費用;可変費用;技術選択;範囲の経済;部品の標準化;複合部品

Abstract

特定の系列に組み込まれてその下請けとして部品生産に特化するか,いくつかの企業に複合的な部品を供給する対等な自立的部品企業として市場を通した活動するかは,企業の組織選択の問題である。中間生産物・部品企業のこの選択は部品の標準化やそれに誘引を与える範囲の経済・規模の経済を考慮した技術選択と関わっている。固定費用の追加を伴うが複合的な部品生産に取り組むことで,他系列の企業にも供給でき,生産量の拡大や範囲の経済を享受することでその単位コストを下げ,さらにより高性能な部品を創出するノウハウを蓄積するインセンティブから,部品の標準化が進行する。このプロセスは,それまでの差別化製品における系列的な企業関係をより市場メカニズムを生かした関係に変化させることにつながるであろう。

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