研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第10号

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日韓オノマトペの対照研究 : オノマトペの述語省略表現について

裴, 明文

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/44602

Abstract

本稿はオノマトペの述語省略表現について、日本語と韓国語両言語を対照して考察したものである。オノマトペとは擬音語、擬声語、擬態語、擬情語などをいい、多くの国の言語にはこのオノマトペが存在する。中でも日本語と韓国語は他の言語に比べてオノマトペの数は豊富である。したがって、使い方や表現方法もいろいろ多様に存在する。日本語と韓国語のオノマトペは、昔から多くの研究者たちによって研究されて来た。両言語のオノマトペ対照研究も最近になって盛んになり始めた。しかし、本稿のテーマである、オノマトペの述語省略表現についての日韓対照研究はあまり多くない。本稿では、日本語の場合と韓国語の場合をそれぞれ研究した。今回の研究を通じて日本語ではオノマトペによる文末の述語省略表現は可能であるが、韓国語では文章の場合は不可能であることが分かった。日本語では、述語省略表現が可能なのはすべてのオノマトペではなく、二つの場合がある。① オノマトペが「‐する」動詞あるいは「‐だ」述語のように文中で述語の機能をしている場合、そのオノマトペの後ろの「する」や「だ」が省略できるので省略表現は可能である。② オノマトペとその後続の動詞との共起制限が強ければ強いほど、述語省略表現は可能である。日本語のオノマトペの多くは「‐する」動詞あるいは「‐だ」述語として使うことが可能なので、一般文章はもちろん、新聞の見出しや広告のキャッチフレーズなどでも述語省略表現は頻繁に使われる。韓国語の場合、文章の中では述語省略表現は不可能である。理由は、韓国語の文章には強い文法制限があり、文末は必ず終結語尾「다」で終わらなければならないからである。このような文法制限は日本語には存在しない。韓国語にはこの文法制限があるため、一般文章で文末の述語がオノマトペの場合は、主に「‐하다」、「‐거리다」、「‐대다」、「‐이다」の四つの派生接尾辞を用いる場合が多い。しかし、韓国の新聞の見出しや広告のキャッチフレーズなどでは述語省略表現が可能である。本稿では主に述語省略表現が新聞の見出しで使われた場合、日本語と韓国語ではどのような相違点があるかを研究した。

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