北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第111号

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脳性麻痺の言語障害の様相

鈴木, 真知子;室橋, 春光

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/44651
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.111.65
KEYWORDS : 脳性麻痺の言語治療の歴史;脳科学の進歩;脳画像解析;ワーキングメモリと実行機能;ワーキングメモリ容量

Abstract

脳研究は,この四半世紀で急速に進展した。脳性麻痺の言語臨床においても,臨床像による病型分類が脳障害部位を客観的な指標で同定できるようになり,その臨床像と障害部位との関連性を機能面でも推察できるようになった。この経緯を,①1970年代以前,②1970年から1990年まで,③2000年まで,④2010年の現在までに区切って,①医学的段階,②臨床像,③臨床の現場の三側面からその変化の過程について整理を試みた。特に,1990年代に早産未熟児に関して,高い確率でPVL(脳室周囲白質軟化症)やHIE(低酸素脳症)が出現し,言語や学習,社会的行動の課題の相関を示唆する先行研究が相次いだ。2000年以降には,fMRIやNIRUSなど画像分析が普及し始め,脳性麻痺などの脳損傷児の脳内における言語や運動活動がリアルタイムに分析する研究が始まってきた。

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