北海道歯学雑誌 = Hokkaido Journal of Dental Science;第33巻 第2号

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サーモンカルシトニンがメダカ破骨細胞に及ぼす影響

山田, 利恵;土門, 卓文;井上, 農夫男;野谷, 健治

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/52455
KEYWORDS : メダカ;破骨細胞;サーモンカルシトニン;骨吸収

Abstract

破骨細胞は刷子縁により骨を吸収する多核の巨細胞である.哺乳類でカルシトニン(CT)は破骨細胞に直接作用し,細胞体収縮と刷子縁の消失を引き起こすことによって破骨細胞による骨吸収が抑制される.硬骨魚類にもCTは存在するが,その作用はよく分かっていない.本研究は硬骨魚類のメダカ咽頭骨の破骨細胞を分離培養する実験系を確立し,この実験系と咽頭骨の器官培養の実験系を用いてサーモンカルシトニン(sCT)がメダカ破骨細胞に及ぼす影響を形態学的に明らかにすることを目的とした.メダカの咽頭骨より破骨細胞を分離しLeibovitz’s L-15培地中で24時間培養した.その後,培地中で10-6~10-10g/mlになるように5段階の濃度のsCTを添加し,1または3時間培養し,実験群とした.sCTを添加しないものを対照群とした.培養後,試料において酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)活性反応を検出し光学顕微鏡で観察した.咽頭骨の器官培養は分離培養と同様のsCTの濃度と時間で培養したものを実験群とし,sCTを添加しないものを対照群とした.培養終了後,試料はEpon包埋し,0.5μmの準超薄切片を作製後,光学顕微鏡観察した.分離培養の対照群・実験群では,sCTの濃度と作用時間に関わらず,TRAP活性陽性反応を示す細胞は円形もしくは楕円形の細胞外形を示し,両群間に形態の差異は認められなかった.器官培養の対照群・実験群でも,sCTの濃度と作用時間に関わらず,破骨細胞は刷子縁により咽頭骨上に吸収窩を形成しており,両群間に形態の差異は認められなかった.以上の結果は,sCTはメダカ破骨細胞に対して骨吸収抑制の作用を示さないことを示唆している.

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