研究論集 = Research Journal of the Graduate School of Humanities and Human Sciences;第16号

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林羅山「寄朝鮮國三官使」に關する考察

関, 雅泉

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/63916
JaLCDOI : 10.14943/rjgsl.16.r45

Abstract

江戸時代初期の幕府の朝鮮に對する外交政策上、通信使の招待は重要な政策であり、日朝兩國の政治、文化、經濟などの交流を促すのに、深い意味があった。永十三年の朝鮮通信使の來日に際して、林羅山は幕府の文教、外交の責任者として通信使と交渉した。「寄朝鮮國三官使」は、羅山が永十三年に著した外交書簡であり、羅山の學問と思想的特徴の一端を窺い知ることができる。本稿では、「寄朝鮮國三官使」を中心に、その成立背景及び羅山の見解を明らかにした上で、書簡における通信使への七つの質問について詳らかに分析し、そこに見える羅山の思想と意圖を證してみたい。羅山は朝鮮の學者 に對して、高い見識を示したが、その質問は中國の思想と歴史の影響を受けていたことが確認できる。また、この書簡には、朝鮮を日本の藩國とみなす意圖が窺え、彼の強い國家意識が認められる。

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