地域経済経営ネットワーク研究センター年報 = The Annals of Research Center for Economic and Business Networks;第6号

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イラン地方都市における家族経営の現在 : アルダビールの事例分析

村上, 明子;ハサンザーデ, モハンマド

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/66568
KEYWORDS : イラン;アルダビール;家族経営;アゼリー;紡績業

Abstract

革命以降のイランは変動幅が大きい不安定な社会と言える。特に2002年に核開発問題が表面化して以降のイラン経済は,経済制裁の影響が色濃く内外に厳しい状況が続いてきた。現在は2015年7月の核協議合意によって核開発関連の経済制裁は解除されており,空前とも言えるイランブームに沸き立っている。これまで村上は,イラン社会経済の特徴を観察するため主に首都テヘラン市で労働市場や社会貢献活動の調査を行ってきたが,地方社会の構造把握や現代的課題への接近は十分とは言えない状況だった。  そこで我々は2016年の7月から9月にかけて,イランの北西部のアルダビール市である紡績業の経営者家族に密着し,企業経営から家族・親族・近隣住民との繋がりに至るまでその日常を詳細に追跡した。アルダビールは住民の大半がトルコ系のアゼリーであり,言語や生活習慣に地域独特の要素が存在する。本稿では,イラン特有の社会情勢を念頭に置きながら,同国地方都市における家族経営の現状と地域社会における今日的意義を明らかにしていく。

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