子ども発達臨床研究 = The Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development;第11号

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札幌市の小学生・中学生の生活と意識についての調査I : 学校・家庭・自己および居場所に注目して

加藤, 弘通;水野, 君平

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/68816
JaLCDOI : 10.14943/rcccd.11.1
KEYWORDS : 中学生;小学生;学校生活;家庭生活;自己意識;居場所;School life;Family;Self-esteem;Ibasho

Abstract

本研究の目的は,質問紙調査を実施することで,札幌市の小中学生の学校や家庭,および自己に対する意識の実態を明らかにすることである。また本プロジェクトの目的としては,継続的に実態調査を行うことで,札幌市の小中学生の経年変化を明らかにし,子ども理解の一助とすることである。今回の2016 年度に行われた調査については,さらに「居場所」についても調査しており,札幌市の子どもたちの居場所の実態を明らかにすることも目的であった。札幌市内の公立小学校4~6年生,公立中学校1~3年生2,920 名を対象に質問紙調査を行い,以下のことが明らかになった。1つは,学校については概ね肯定的に捉えており,その要因としては,授業・行事・安心感といったものが関連していた。2つは,家庭生活についても肯定的に捉えているものの,学年が上がるにつれて低下する傾向が見られた。3つは,自己意識について,どちらかというと否定的に捉えている傾向が見られた。最後に,学校外の居場所については,家庭がもっとも多く,その内訳としては,小学生は家族と一緒の場所が,中学生は自室がもっとも多かった。以上をふまえ,実態のみならず,そうした状況が生じる要因等についてさらに検討する必要性を論じた。

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