北海道大学演習林試験年報;第3号

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ササの資源化に関する研究 : とくに和紙風手すき紙の製造

川瀬, 清;田中, 勇

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72660

Abstract

本報告は本来昭和59年度に行った研究成果を報告するのが原則であるが、筆者等は1986年3月をもって定年退官する予定になっているので、昭和58年以降の成果のすべてについて報告することにした。ササの資源化に関する研究は、第1報チシマザサ稈の理学的性質を報告して以来、第2報利用の基礎となる稈と葉の性質(英文)、第3報 アルカリ法による幼軟稈のパルプ化(英文)、第4報 幼稈のパルプ化と生長過程における稈の組織の変化(英文)と順調に進んている。こうした経過の中で、筆者等はササの幼稈から民芸和紙風の手すき紙を、考案した特製の手すき器を用いて製造し、ササパルプとオヒョウ、シナノキ、ヒロハノキハダ内皮と組合わせ、ノリウツギ樹皮から造ったネリを利用するなどして、北海道の特色を活かした作品を造る基礎試験を試みている。なおササの葉の抽出物中に含まれるビタミン、アミノ酸、糖類などについては、さらに研究が進み、大部分は結論を得ているので、近々演習林研究報告に投稿する。従ってここには省略する。

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