Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72693

一昨年度および昨年度の2年間にわたって、筆者は、「トラクタ集材におけるウィンチライン引ぎ出し作業に対する小型車両の適用」という題目を掲げて研究を進めてきた。研究の第一段階として、軟らかな深い新雪に覆われた森林の中を支障なく走行し得る小型の車両を開発する事に着手し、特に雪上登板性能のすぐれた小型車両を開発することに的を絞って、試作と性能検討を重ねて来た。その仕事を進めている間に、筆者か開発しようとしている車両は、それが完成した場 合に、トラクタ集材におけるウィンチラインの引き出しに使うことは勿論できるが、むしろ、深い新雪に覆われた伐木地域における林業作業員の交通の手段として、あるいは山地用造林機械の車台（シャーシ）として、一層大きな価値を発揮するであろうと考えるようになった。そこで昭和60年度においては、研究の目的を、過去2年間の当面の目的と同じく、軟らかな深い新雪に覆われた森林の中を支障なく走行し得る小型車両を開発することとし、研究の題名については、ここに掲げたように改めた次第である。