北海道大学演習林試験年報;第6号

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種子の散布様式と更新技術

林田, 光祐

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/72815

Abstract

天然更新技術の確立は北海道の森林施業にとって切実な問題である。その基礎となる様々な樹種の更新特性についてはこれまで数多くの研究がなされている。しかし、樹木の更新にとって必要条件である結実から散布、発芽、実生の定着までの初期の過程を追跡した研究は少ない。特に種子散布は植物の分布を規定する最も基本的な要因であり、散布がどのような方法で行われ、どのように種子が分散するのかを知ることは、森林の更新機構を考えるうえで必要不可欠なことであるが、風散布の一部の樹種を除いてほとんど調べられていない。 筆者はこれまで動物の貯蔵による種子散布に注目し、チョウセンコヨウ、ハイマツ、キタゴヨウのマツ属3種を対象に研究を行ってきた。ここでは、エゾリスによるチョウセンコヨウの種子散布を例にとり、更新初期の過程で樹木と動物、さらに施業がどのように関係しあって、実生の定着を決定してしくのかを紹介する。

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